フィリピン・セブ島巨大台風被害状況及び現地最新リポート
2021年12月16日、フィリピンビサヤ地区にスーパー台風リオ(台風22号フィリピン名:Odette オデット)が直撃。
日本ではあまり報道されていないようですが、フィリピン・ビサヤ地区の広範囲にわたり大きな被害を受けました。
リゾート地としても有名なセブ島の玄関口であるマクタン・セブ国際空港があるマクタン島では、特に海に面したリゾートエリアがもっとも大きな被害を受け、壊滅状態となってしまいました。
リゾートホテルをはじめ、ダイビングショップ・マリンショップ・レストランなど多くの店舗は、窓ガラスが破壊、屋根が飛ばされ、ボートは沈没・岸に打ち上げられ修復困難となってしまいました。特にマクタン島の観光産業はコロナにより大打撃を受け、非常に厳しい状況にさらされ再び今回の台風により致命的なダメージを受けました。
台風の翌日からインターネット通信・電気・水道などのライフラインが全て遮断され、連絡を取り合うことができない為安否確認ができない状況でした。
一夜明け、外に出てみるとまるで別世界のような光景が広がっており、あたりは電柱や木々がなぎ倒され、道路を塞ぎ、車では通行できない為移動が困難な状況。
屋根は飛ばされ、建物のガラスが割れ道路にはガラスの破片があらゆる場所に散乱。被害状況は想像以上で、特に海に面した場所やリゾートエリアは壊滅的な状態で、まるで津波が襲った後の光景のようでした。
みんな何とか情報を得ようと移動しますが、道が塞がれているため大渋滞となり、ガソリンがなくなり道路沿いで止まっている車もありました。さらにはガラスなどが散乱しているため、タイヤがパンクし身動きが取れない車も。
みんなガソリンと飲料水・生活用水を入手するために、ガソリンスタンドには長蛇の列。たくさんのバイクやペットボトルを持った人がガソリンを求め並んでいました。車では入る余地がなく、いつまでたってもガソリンを買うことができなかった為、ペットボトルを持って列に並びました。
その日は一人100㌷までしか購入できないなどの制限もあり十分な量でない為、途中でガス欠したり目的地にたどり着くことが困難でした。
飲料水は事前に備蓄していましたが、ここまで大きな被害を受けることは想定しておらず、生活用水は一切準備していませんでした。マクタン島はあちこちに井戸水があるようで、近所の方が井戸水の場所を教えていただき何とか生活用水を確保することができほっとしました。
生活用水は井戸水からボトルに移し自宅まで運ぶという作業を繰り返しています。
ただ井戸水がない場所に住んでいる方は、かなり苦労されていることと思います。
飲料水も同じく、通常家庭で使われているウォーターサーバー用のガロンボトルも全て売り切れ。電気が止まっているので水屋も供給がストップ。
道端で500㎖のペットボトルを買うにも長蛇の列で、通常は10㌷程で売っていますが直後は30㌷で販売されていました。しかし特に奪い合う事もなく、治安は安定しており皆さん助け合いながら前向きに生活しています。
台風から2日目には、ガソリンも道端で1L100㌷で販売されるなど、通常よりも倍近い値で販売されていましたが、炎天下の中、何時間も並んで購入することを考えれば高くても手に入れられる状況ができていたので個人的には有難かったです。
その後ラプラプ市の命令により規制がかかり、法外な値での販売は禁止され現在は通常の値段に戻っています。
またジェネレーター用のディーゼルもバランガイ(自治体)の許可がなければ買えないなどの規制を行い違法な買占めなどが起こらないよう取り締まっています。
停電でオフラインの為、カードは使えず現金でなければ物もガソリンも買えず手持ちの現金が尽きATMや銀行も長蛇の列。フィリピンではキャッシュレス・デジタル化を推進していますが、このような災害時には全く意味をなしませんでした。ATMの現金も尽き、何時間も並んでお金を引き出せなかった方もいたようです。
この状況をすぐに発信し特に情報が得られないマクタン島在住の方に情報を共有したくても一向に電波がなく数日が過ぎてしまいました。
現在は道路も通行できるようになりガソリンも入れられるようになったため、ネットが復旧したマンダウエやセブ市へ行き、連絡を取り合うことが徐々に可能となりました。
知人からの情報によるとボートが沈没・大破するなどのダメージを受け、海沿いは想像を超える甚大な被害となっています。
2020年3月からコロナにより休業を余儀なくされた観光業ですが約2年間、開国まで耐え忍び、ようやく国内観光向けに営業を再開する店も出てきた矢先のの出来事で、今回の巨大台風によりすべてが振り出しに戻ってしまいました。
台風後、リアルタイムでの情報発信ができなくなってしまいましたが電波のあるタイミングでTwitterにて被害状況などの情報を発信しています。
一部の地域では、10日経ってようやく一日数時間ではありますが水道水が使えるようになり、停電は未だに続いていますが、復旧作業が行われ段階的に通電していく予定です。ダメージの大きいエリアは約8週間かかるとのことです。
応援メッセージや物資の支援・寄付などを申し出てくださる方々からたくさんのメッセージを頂きましたが、対応できる余力がなく何日もメールの返信ができずに申し訳ありませんでした。
また、台風の被害を知り、知人やかつてセブ島へ留学や旅行に来られた方、現地で働いていたスタッフより、寄付や物資を送りたいというメッセージもたくさんいただきました。
台風が直撃し、約10日を過ぎたあたりから飲料水・ガソリンは安定してきました。今一番必要なのは、飲料水や燃料・電気の安定供給ですが、次の災害に備え住宅や建物の修復なども重要。
食料についてはバナナなどの自然の恵みが豊富で、マーケットも営業しているので比較的手に入りやすいかと思います。
物資の場合、この状況下では確実に必要な場所へ届く保証がないため、一日も早いライフラインの復旧や家を失った方々への仮設住宅などの支援、技術者の派遣が必要ではないかと思います。
また支援先が明確にわかる団体や個人への寄付なども被災された方への大きな支援につながると思います。
フィリピン台風22号によるセブ島の被害状況と義援金活動・詳細は下記のリンクをご覧ください
- スクーバモンスターズ フィリピン台風22号によるセブ島の被害状況と義援金活動
- 越智さん主宰ダイビング情報サイト「オーシャナ」 フィリピンを襲った巨大台風。現地日系ダイビングショップからもSOS
特に被害が大きいセブ・マクタン島では、水中写真家 越智隆治さんが主体となりダイビング業界関係者と共に、寄付のご支援を呼びかけています。
スタッフの支援、ショップの再建、観光地としての復興を目的とした支援活動への義援金を募るプロジェクトです。
ご協力頂ける方は、(株)United Oceans代表水中写真家 越智隆治さんの以下の口座に"セブ"と記載の上一口1000円から、ご支援・お協力の程宜しくお願いいたします。
(株)United Oceans代表水中写真家 越智隆治
United Oceans oceanlapule楽天銀行 7985484
第一営業 251
支援先となる予定のセブ島ダイビングショップ一覧(2022年1月7日現在)
- Blue Coral
- AQUARIUS DIVERS
- エメラルドグリーンダイブセンター
- S2クラブ
- Newport Scuba Watersports
- All Blue
- トロピカルパラダイス
- Free Crew Diving Center
- エルアクアリオダイバーズ
- シーライオン
- アクアスケープ
- マリンハウスシーサーセブ店
- プアへレダイビングツアー
- Pcom Dream Diving Service
- アクアバディズ
2021年12月に発生した「台風22号オデット被災セブ日系ダイブショップ義援金活動」賛同者リスト
どうか皆様、ご支援・ご協力の程宜しくお願いいたします。
また以前のように世界中の観光客の皆様を南国リゾートセブ島へお迎えできるよう、一日も早く復興できることを願うばかりです。
こちらもご覧くださいセブ島復興プロジェクト「がんばろうセブ!!」水中クリーンアップ活動・復興支援のお願い