皆さん風邪をひいたときにどのように過ごしていますか?
消化の良いおかゆを食べて、頭に濡れタオルを乗せよく寝て…あるいは布団にくるまり汗をよくかいて治すなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような民間で行われている伝統的な治療法がフィリピンにも数多くあり、人々の生活の知恵として活用されています。特にフィリピンここセブ島で生活をしている移住者の方にも必見!そんな先人の知恵、知られざるフィリピンの伝統療法についてご紹介いたします。

鼻詰まりにはこれ!フィリピン式スチームサウナ、トゥオブ(Tuob)
スチームサウナと聞くと大きな小屋で火を焚いて…とイメージしますが、こちらのトゥオブは家庭で簡単にできる簡易スチームサウナです!レモン、ショウガ、またはユーカリを入れ沸騰したお湯の蒸気を吸入する方法。やり方は次の通りです♪
1リットルほどの水とひとつかみの塩・1個分の輪切りのレモンを鍋に入れ沸騰したら火を切ります。

鍋をテーブルの上などに移動したら大きめの毛布を頭から被り、立ち昇る蒸気を逃さないようにしながら鍋の上に覆い被さり蒸気を吸い込みます。(この際たっぷり汗をかきます。)5分経ったら1分ほど休憩。休憩後同じく5分間蒸気の吸引を続けます。(途中でお湯が冷めて蒸気が出なくなってしまった場合はもう一度火にかけます)

5分の蒸気吸引を4回、計20分行えばトゥオブは終了です。このトゥオブ、とっても簡単で即効性があるとして幅広く行われています。
各家庭で生姜やカラマンシー、ユーカリを入れるなど個人に合わせて調合するそうです!鼻詰まりがひどいときには一度お試しあれ!
歯痛や口臭予防にグァバ「Guava」の葉!
日本ではグァバを目にすることといえば缶詰やせいぜいジュースぐらい。ましてやグァバの葉っぱなんて見たことがない方が大半なのではないでしょうか。
ここフィリピンではグァバがいたるところに自生しており、庶民的なフルーツとして出回っています。そんなグァバの葉っぱは口のトラブルに効果があるとして古くから利用されています。歯痛にはフレッシュなグァバの葉を1枚、そのまま口に入れ5分ほどよく噛みます。たったこれだけで葉の痛みが和らぐそうです。病院の閉まった深夜など、非常時に役立ちそうですね!

口臭予防にはまずフレッシュなグァバの葉を5~10枚用意します。
水でよく洗い、500mlほどの水でグァバの葉を10~15分煮出します。

お湯が紅茶のような色になればOK!グラス1杯にティースプーン1杯の塩を入れてうがい。
口内トラブルにはグァバの葉、覚えておいて損なしです!
擦り傷にマルンガイ「Malunggay」。別名:モリンガ
こちらは栄養価が非常に高く、スーパーフードとして日本でもサプリメント等が売られているマルンガイ。別名、モリンガとも呼ばれています。フィリピンではスープの具材など食品として利用されることの多いマルンガイですが、傷口に塗ると治りが早いとされ古くから利用されています。やり方はとっても簡単!
まずはマルンガイを2枝ほど用意し、

葉を取ります。
その葉を容器に入れ、スプーンなどで潰します。
水分が出て葉っぱの形がなくなるくらいにすり潰したら傷口に直接塗ります。

たったこれだけ!ローカルマーケットなどで安く売られているので比較的試しやすいこともポイントです!(傷口に使うのであれば5ペソほどのマルンガイで十分です)日本でもおばあちゃんの知恵としてアロエを傷口に塗ることがありますが、それを思い出させるような治療法ですね。食べ物としても薬としても優秀なマルンガイ、お試しください!
咳にはオレガノ!「Oregano」
イタリア料理のスパイスとしても有名なオレガノ。フィリピンではグァバと同じようにいたるところに自生しており、民間で使われる薬として重宝されています。
特に咳が激しい場合にはオレガノが効くとされており、道を咳き込みながら歩いていると近所のおばちゃんがオレガノを手渡してくれることもあったり。必要なものはフレッシュなオレガノ(5枚ほど)とお湯だけ。

まずはオレガノを軽く洗い、葉を容器に入れます。
そこに50mlほどのお湯を入れ、スプーンなどでオレガノの葉を潰します。

お湯の色が濃い緑色になったら完成。
葉っぱは捨て、出来た液体を一気に飲み干します(とても苦いので一気に飲み干すことがポイントです!)1日3回ほどが目安です。
デング熱にマンガガウ(Mangagaw)
フィリピンで怖い病気の一つ、デング熱。こちらの病気は蚊を媒介とし、時には人を死に至らしめる恐ろしい病気です。
デング熱にかかるとフィリピンの方はマンガガウという植物を煮出したお茶を飲みます。
作り方はこちら!

1つかみのマンガガウと約500mlの水を鍋に入れ、火にかけます。
10分ほど煮出し、お湯の色が茶色になったら完成。

このドリンクを1日グラス1杯飲みます。
※繰り返しになりますが、デング熱は恐ろしい病気です。あくまでも民間療法なのでデング熱が疑われる際はすぐに病院で受診してください。
蚊よけにダオブ(Daob)
マンガガウの際にも触れましたが、蚊を媒介とするデング熱はとても怖い病気です。そこで蚊よけで用いられるのがダオブです。

フィリピンでは蚊が活発になる夕暮れ時(午後5~6時頃)、田舎町を歩いているとどこからともなく煙が立ち昇ります。これは枯れ葉を燃やした際に出る煙を使って蚊を追い払う伝統的な方法で、必要なものは落ちている枯れ葉とマッチのみ。枯れ葉(種類問わず)を集めて山のようにして、火を付けるだけ!キャンプにも使えそうですね。お試しの際は火にご注意を!
以上、フィリピンの伝統療法についてまとめました。フィリピンでの先人の知恵。目新しいものも多かったのではないでしょうか。ここでご紹介した植物は他のものと見た目が似ているものも数多くあるので、心配な方は近所のママさんに聞いてみると安心ですね!時には薬に頼らず、古くからここフィリピンに伝わる伝統的な治療法を試してみてはいかがですか?