移住者に聞くフィリピン海外生活 第2回は、タガイタイに住む大町さん
現在、フィリピンで暮らす日本人の皆さんに「フィリピンへの移住を決めた理由」や「現地での生活」などをインタビューし、フィリピン移住の良さや生活する上での厳しさやメリット、デメリットなど、移住者の皆様にご協力いただきリアルな実体験をお届けする新企画!
第1回目の「フィリピンで暮らす日本人#01」は、ボホール島に住む「Takiさん」にインタビューさせていただきました。
そのTakiさんの人生を大きく変える転機となったのがフィリピン留学。当時の留学先だった語学学校を経営されている大町さんに移住の輪のバトンを繋いでいただきました。
第2回目は、フィリピン(タガイタイ)で語学学校・人材紹介会社・日本語学校を経営されている大町さんへインタビュー
日本では心理士・看護師として働いていた大町さんですが、世間から見ると安定した職業で経済的にも不自由のない生活なのに、なぜまたフィリピンへ??
と思われる方もいらっしゃると思いますが、生まれ育った日本を離れ異国のフィリピンへ飛び立つこととなった心に響くエピソードなど、いろいろと語っていただきました。
日本は何でも揃っていて、便利で腹が立つことも少なく国民性も優秀で外国に住んで改めて素晴らしい部分を再認識した。
大学を卒業して、心理系の仕事に就きたかったが、給料が高く休暇も取れることもあり卒業後は製薬会社に就職。
IT部門に配属され、現実は思い描いていた仕事とは異なり一日中パソコンと向き合きあう仕事をしていました。
2年間勤務した後、退職し医療系・福祉系に転職。臨床発達心理士として、障害者の家族を対象としたカウンセリングなどが主な仕事でした。
昼は勉強、夜は病院で夜勤をしながら「社会福祉士」と「看護師」の資格も取得。
職業柄、病院で死を迎える患者さんを見ていると、自分はこのままでよいのかと閉塞感を感じるようになりました。
日本社会に適応できないと感じ、そのうち好きなことをして生きたい、外に出たいという思いが募り、どこか誰も知り合いがいないところに逃げたいと思いました。
ある日、夜勤で巡回しているとき、ふと空を見上げると関空から飛び立った飛行機が見え、衝動的に自分もどこかに行きたいと思った。
そして30代前半、ついにフィリピンへ行くことを決意。
まずは2ヶ月半、語学学校に通いある程度英語が話せるようになりました。
以前、医療福祉系で働いていた時に行き場のない人たちが集まるNPO施設に携わっていた経緯もあり、フィリピンで社会福祉法人を設立しようと考えました。
しかし、設立するにあたりフィリピンの法律の問題などで設立が難しいことがわかりました。
そこで日本で看護学生・医療系の学生向けの塾を経営していた経験もあったため、学校ならやってみたいと思いました。
フィリピンの法律や法人登録などを自分で調べ、2014年3月にフィリピンの「タガイタイ」という都市で語学学校「Face to Face English School」を設立。
初めは先生3人で始め、自宅を寮として使ってもらい、そこから職場である学校へ通うというかたちでスタートしました。
山地なので夏でも涼しく多くの人の避暑地、また、国内外から多くの観光客が訪れる場所でもあり、またフィリピンの富裕層や芸能人の別荘地としても有名。昨年1月に噴火したタール火山といえば記憶に新しいところですが、標高700メートルのタガイタイからは美しいタール火山を眼下に望むことができます。
設立当初のお客様は知り合いがほとんど。まずは知人に声をかけたり、自分で営業に行って開拓したり、大阪駅の前でチラシを配ったりもしました。
その後、「ビジネス英語・医療英語・フィリピン株」など他校と差別化したコースを導入し、徐々に生徒数も増えてきました。さらに台湾人の受け入れも開始しマーケットを拡大。
コロナの影響を受け、現在は競合も少ないのでまだまだニーズはあり、コロナが終息したらある程度は戻ると思っています。
学校を卒業後、フィリピンに住みたいと思う日本人向けに「人材紹介会社「GENSAI Career Consulting Corp」」を設立し、国内日系企業に紹介しています。
現在コロナの影響で、日本からフィリピンへ入国するのは難しいですが、フィリピン内でのニーズはあり、フィリピン国内に住む日本人向けに就職サポートも行っています。
また日系企業より、フィリピンの人材も紹介して欲しいというニーズもあった為、フィリピン人向けの「日本語学校」を設立。
フィリピン人に日本語を教えて、日本へ留学・就職させることによって、好循環を生み出し社会貢献にもつながっていくと思います。
他にもフィリピンの証券会社と提携し、投資フィリピン株の口座開設サポートなども行っています。
日本人が口座を開設するのは単独では難しいので、日本に住んでいても口座開設ができるようにサポートも行っています。
フィリピンは意味がわからないことが満載だけど、幸せを感じられる空気がある。
感じない人もいると思いますが、僕はそれを感じたので居付いてしまいました。
良かったこと
家族ができたこと。フィリピン人の妻で文化的な違いはありますが、暖かく家族を大事にしてくれるのでとてもありがたいと思っています。
日本の方が便利でいい国だと思うが、フィリピンは開放感があり自分の好きなことをしていいし、無言の圧力を感じない。
フィリピンの空気・雰囲気が自分にあってると思います。
困ったこと
会社経営してなければ感じなかったと思いますが、物事がスムーズに進まず行政手続きで色々と困りました。
海外に住んで客観的に日本をみると、日本人は「時間、約束を守る・相手を気遣う・空気を読む」。
普通の事かもしれませんが、特にフィリピンに住んでると、日本人の特殊能力のように感じます。
合う合わないがあるので、留学や仕事、どんな形でもいいので一度住んでみることをおすすめします。ここが「合うな」と思ったら移住してみればいいと思います。
特に神経質な人は難しいかもしれません。日本社会が合わず、フィリピンの空気を楽しめる人はぜひ一度フィリピンに来られてみてはいかがでしょうか?
現在はフィリピン人の奥様と3人のお子様に恵まれ、タガイタイで日々幸せを感じながら生活する大町さん。
Twitterでは、フィリピンの校長というアカウント名で日々の生活やフィリピンのさまざまな情報を発信されています。
フィリピンに興味がある方、フィリピンに住んでみたい方にも参考になると思います!是非チェックして下さいね!
私もその一人でまさにその言葉がフラッシュバックし、自分と重なる部分もあり胸が熱くなりました。
フィリピンに限らず、自分が最も心地よく自分らしく生きられる場所に気づくことが人生を最大に楽しむ方法だと感じました。
第1回目: 「フィリピンで暮らす日本人#01」は、ボホール島に住む「Takiさん」
第3回目:「フィリピンで暮らす日本人#03」は、人材紹介会社で働く「ゆーだいさん」