第5回|前オカダマニラCFOから独立・コンサルティング会社を経営する藤目さん
コロナウィルスの影響で渡航制限はありますが、現在もフィリピンで暮らす日本人は意外とたくさんいらっしゃいます。
そこで、フィリピンで暮らす日本人の皆さんに「フィリピンへ移住へのきっかけ」や「現地での仕事・生活事情」などをインタビューし、フィリピン移住の良さや生活する上での厳しさ、メリット、デメリットなど、移住者の皆様にご協力いただきリアルな実体験をお届けする大好評の新企画!
今回で第5回目となり、前回インタビューさせていただいた「吉田さん」より移住の輪のバトンを繋いでいただき
前オカダマニラCFO(最高財務責任者)を務め、現在独立、起業家の藤目将光さんにインタビューさせていただきました。
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人に支えられ、人に引っ張ってもらい今の自分がある。フィリピン移住のきっかけは人との繋がり
大学時代から起業家を志し、学生団体を作るなどの活動をしていました。
日本では商社に勤め、海外ではフィリピン以外にもタイやシンガポールでの仕事の経験があり、タイではタイ語を駆使して管理部門長代理を担当。シンガポールでは統括会社を立ち上げ、アセアン域内に新たな現地法人を作りました。
フィリピンへは、オカダマニラの社長になる方からヘッドハンティングされたのがきっかけです。
学生時代の活動を通して知り合った方が、オカダマニラの社長となる方と元同僚で、その繋がりで経理の部門長として2018年8月に入社しました。
その後オカダマニラのCFO(最高財務責任者)として勤務し、カジノ、ホテルやレストランの現場からマネジメントまで世界的に有名なプロフェッショナル達と仕事ができ、約2年半で本当に多くのことを学ぶことが出来ました。
もしオカダマニラがカジノ運営会社であれば断っていましたが、Integrated Resort(IR)が日本でも話題となっていたこともあり、日本発の唯一のIRで働けるチャンスと捉えオファーを受けました。当時、目標のひとつにカジノ経理を世界で一番詳しい日本人になりたいという思いがありました。この目標は、カジノ経理のみならずカジノリゾート運営含めて、達成できたと思っています。
私を引っ張ってくれたオカダマニラの社長は2020年に退社され、私も新たな挑戦をするために2021年1月末にオカダマニラを退社いたしました。
今でもオカダマニラの一部のコンサルタントをしています。
人に支えられ、人に引っ張ってもらって今の自分があります。
フィリピンへは、シンガポールの統括会社時代に何度か訪れていましたが、働いてみると色んな事が随分違っていました。
現在は、フィリピンでの会社の立ち上げをサポートするコンサルティング会社をオカダマニラ時代の優秀なスタッフと一緒に始めています。
フィリピンでビジネスを始めるにあたり、フィリピン人のパートナーはとても大事です。
幸いにも私には信頼できるパートナーがいて大変助かっています。
新型コロナウィルスの影響をチャンスと捉え新しいビジネスをフィリピンで展開しようと考えている方々や、進出したかったけど手続きができず動けなかった人など知り合いの紹介などでお客様からの様々な相談を受けています。
「Scratch my back and I'll scratch your back.(私の背中を掻いてくれればあなたの背中を掻いてあげよう)」という言葉がありますが、困った時はお互い様、ギブアンドテイクで特にここフィリピンは、人とのつながりが大事だと実感しています。
ビジネスは、運とタイミングにも大きく左右されますが、どこの国も人との繋がりが大きいと感じています。
たまに「フィリピンにいる日本人に騙された。」という話を聞くことがありますが、我々はきちんとしたバックグラウンドで信頼される人(会社)になりたいと思っています。
これまでの経験と人脈を生かし、弊社では市場調査から会社の設立、申告関係、管理業務などすべて一括で幅広く対応できることが強みです。
すでに動き出しているひとつの飲食事業。「Karachubi」をオープン
もうすでに動き出している事業があります。コミサリーキッチンで調理したものをキオスクで販売する「鶏の唐揚げとおむすび」を提供するお店です。
味付け(レシピ)はパートナーのオカダマニラ元総料理長の吉田さんが行います。
最初はミシュラン星シェフの焼き鳥屋も考えましたが、色んな案を練って唐揚げ屋に決定しました。
お店の名前は、唐揚げキャラ「Karachu」と会社名の「Omusubi Trading Corporation」の「bi」を掛け合わせて、「Karachubi(カラチュビ)」です。
フィリピン人はブランド好きが多いので「オカダマニラ元総料理長、一流シェフが作る和食ブランド」として売り出すことにしました。
キオスクでの販売は5月末を予定しています。将来的にはセブ島やその他エリアへのフランチャイズ展開も検討しています。
また、隠れ家的なお店をコミサリーキッチンの隣に建設してます。こちらも乞うご期待!
Karachubi(カラチュビ)Facebook Instagram
今後の事業展開。日本とフィリピンを繋いでそこから世界へ
上記(コンサルティング会社・飲食店事業)2つの他に今後始める予定の事業がいくつかあります。
日本とフィリピンを繋いでそこから世界へ。
日本流を押し付けるのでは意味がないと思っており、フィリピンだからこそできることを考え「日本とフィリピンの融合」を大切にしています。
・人材派遣|フィリピンの資源である「人」を派遣する事業
日本や香港、シンガポールなどへのメイドの派遣や日本のカジノへの人材派遣。
・料理教室|メイド以外にホテルや日本食レストランで働けるよう料理を教える事業
例えば、シンガポールのメイドは月に1000$位の給料があります。
フィリピンのメイドは、おおよそ「8000~9000ペソ位」が相場と言われています。
フィリピンの富裕層では専属シェフがいる家庭があり、料理の質があがることで給料が上がる可能性もあります。
フィリピンの食卓で安心安全な日本食が食べられます。
スキルを身につけることにより彼ら自身も高い給料が貰えるようになります。
また料理のレベルが高いメイドを世界に派遣することも考えています。
このビジネスでは、以下がキーワードです。
1. フィリピンのメイド層に新たなキャリアパスを見出すこと
2. フィリピンの食卓に安心・安全な日本食を届けること
・日本のコスメブランドの輸入販売
日本ではすでに有名なモールなどで店舗展開をしている「Bionist(ビオニスト)」のフィリピン展開です。
美肌菌ケアを専門としたスキンケアブランドBionist(ビオニスト)は、ヒト幹細胞によるエイジングケア効果と、乳酸菌生産物質配合による美肌菌ケアで、美肌にアプローチする究極のスキンケア商品。
このブランドを輸入してフィリピンで販売する事業です。
Bionist(ビオニスト)Facebook Instagram
・EV(電気自動車)事業
将来的にフィリピンでは電気自動車化が進むと予想されており、価格が安い中国の電気自動車に目を付けました。中国の電気自動車メーカー(企業名:ウーリン)と日本のベンチャー企業でフィリピンと日本、中国をつなぐ役割を担う。
現在フィリピン財閥数社と既に話が進んでおり、きちんとした仕組み作りをしたいと思っています。
・旅行会社
また旅行会社引継ぎの話も受けています。
事業内容としてパートナー校への留学やそれに伴うビザの取得サポートなどが考えられます。
その他、人材派遣業からの内部取引もあり得ます。中国人へのVISAの話もありますが、こちらはグレーが多すぎ、違法には儲けたくないので、今のところはやれません。ただし、法整備が整うことにより、まだまだ可能性が広がると思っています。
この事業の最終形態は未知数です。
今後成功する可能性があるビジネスは?
アタックしないといけないところにアタックできれば何でもできると思います。業種は関係ありませんね。
特にこの国の為になるビジネスであれば何でもいいです。
強みはIT、ITのオフショア。イングリッシュスピーキングを事業化できれば面白いと思います。
そしてフィリピンの国内消費をいかに刺激できるか。
フィリピン人の購買力は給料以上にすごく、新しいiphone持ってる人もかなり沢山います。
日本はエンジニア、ITの給料が上がっているようですが、まだまだ出遅れてる感じがします。日本の考え方や教育は悪くはないですが、アグレッシブさが足りない人が多いと思います。英語教育を行っているフィリピンには大きな可能性があります。
反対に「人件費が安いから」というビジネスはやめた方がいいです。
フィリピン以外の国にいるフィリピン人が「戻りたい!」と思えるような国になるといいなと思っています。フィリピンにはまだまだ伸びしろがあり可能性を秘めています。
フィリピンの魅力を一言で表すなら「古き良き日本」
フィリピンは一言でいうと「古き良き日本」です。
人を大切にする文化に大きな魅力を感じます。
- 笑顔と礼儀正しさ
- きちんとした上下関係
- 穏やかさ
- アグレッシブさ
昭和の人が来れば懐かしさを感じるのではないでしょうか。
特に上から目線ではなく、同じ目線で見れる人にはフィリピンを見てもらいたいですね。
またゴルフ好きには魅力ある国です。
ゴルフは人脈も作れる楽しみのひとつですね。
逆にフィリピンで気を付けること
人を信用し過ぎるのは注意が必要で、特にお金の話には要注意です。
知らないことは知らない、わからないことはわからない。とはっきり言った方がいいです。
意味が分からずに「イエス」は危険です!
毎日「どうやって生きていこうか?」と考えています。(笑)
いかに組み立てて行くか?毎日戦ってます。
元々は旅行好きなんですが、今はコロナの影響で移動制限があるため旅行に行けないので休みの日は出来るだけ会える範囲で人に会ってます。
ここ10年でこんなに飛行機に乗らなかったことはないですね・・・。
フィリピンに来てからもうすぐ3年になりますが、おかげさまで日本ではなかなか住めないような家に住んでいます。
現在は庭とプール付きの一軒家にメイドが数人います。こういう生活ができるのもフィリピンならでは。
今のところフィリピンでビジネスして、いずれはどこにいても出来る仕事で「半分遊び、半分仕事」が理想ですね。
インタビューの中でも繰り返し出てきましたが、とにかく人との繋がりを大事にされる方で、そこがビジネスを成功させる秘訣なのだと実感しました。このような経験と人脈があるからこそ、信頼できるコンサルタントが実現できお客様も安心して相談できるのだと思います。
フィリピンでビジネスをしたいという方には特に参考になるかと思います。
フィリピン進出・事業展開などは藤目さんに是非ご相談ください。